CULTURESTUDIES

カルチャースタディーズ研究所は
社会デザイン研究者の
三浦 展が主宰する、
消費・文化・都市研究のための
シンクタンクです。

カルチャースタディーズ 30代インタビュー 第1回

Bookmark and Share
株式会社夏水組 代表取締役 坂田夏水さん
リノベーションを中心とする各種インテリアデザインを手がける夏水組の、若く美しい社長が坂田夏水さんだ。シェアハウス専門の不動産会社、こひつじ不動産も手がける。7月には家具のリメイクをテーマにした『夏水組のパリ風手作りインテリア』(メディアファクトリー)も出版。いま最も注目される30代の一人だ。

三浦:大学のころだと、まだリノベの走りだよね?

坂田:そう。すごい走り。『Rプロジェクト』っていう本とか出て。

三浦:ああ、2003年ごろだね。馬場正尊くんがやったやつだよね。シカゴとかを取材した本でしょ?

坂田:そうそう。そのアールプロジェクトの方に大学時代によくしてもらっていて、『Rプロジェクト』って、なんか面白いし、おしゃれだなって思ってたんだけど。

三浦:あのころ、五十嵐太郎の『リノベーション・スタディーズ』とか出てね。

坂田:ありましたね。

三浦:ブルースタジオの本が2001年で、ま、とにかく、2001、2002、2003年あたりで出てくるんだよね。

坂田:ブルースタジオの方々は武蔵美の先輩なんですよ。

三浦:ああ、そうなんだ。

坂田:そういう関係もあって、ちょっと知っていて、いいなって思ってたんですよ。

三浦:自分の先輩もやっていて、いいじゃん、これって。

坂田:そう。あと、もともと、新しいものよりボロいものが好きだったから。

三浦:ちょっとさかのぼりますけれど、建築を志したのはいつなんですか?大学には2000年に入るわけ?

坂田:そうですね。

三浦:なぜ、建築学科に行こうと思ったんですか?

坂田:うーん、すごい、こんなことを言うと怒られるかもしれないけれど、入る学科がなかったんですよ(笑)。最初、高校3年生のときは、千葉大の建築学科を受けたんだけど、私、文系じゃなくて理系で、受けようと思うところがそこしかなかったんですね。工学部ってちょっとつまんなそうだし、建築にしとくか、くらいの感じです。で、千葉大一本で行ったんだけど、途中で、萎えちゃっ て(笑)、受験勉強もあんまりやってなくて。

三浦:家(三鷹市)から遠いし(笑)

坂田:そうそう、遠いし、千葉はちょっとなって思って。だから、全然何も考えてない高校生だったんですよ。

三浦:じゃあ、別に建築志したんじゃないんだね。工学部で、こんなのもイヤだしな、みたいな。

坂田:研究とかもイヤだし、やるとしたら、建築しかないかな、みたいな、そういう適当な理由なんですけど。

三浦:今をときめく山崎亮君も結構適当な理由で大学の専門を選んだみたいだけど(笑)。

坂田:私の場合すごい適当(笑)。

三浦:それで千葉大建築は受けたの?

坂田:受けました。で、まんまと落ちました。

三浦:で、同時に武蔵美建築も受けたの?

坂田:やっぱり工学部の建築学科は行きたくないなぁと思って、で、私もともと絵が好きだったから。

三浦:理科系だけど、絵が好きだったの?

坂田:そうなんです。じゃあ、ちょっと美大とかいいかもね、って思っ たときから、ち ょっと目覚めだして、絵が好きだから、予備校に行ったら絵がしこたま描けるじゃないですか。で、楽しい1年を過ごしちゃったわけですよ。で、本当は芸大に行きたかったんだけど、また落ちちゃって。

三浦:そう簡単にはねえ。

坂田:そう。だから、適当なんです。そのへんは意外と。

三浦:で、まあ、見事、武蔵美に入る、と。

坂田:見事っていうか、難しいもんじゃないですけどね。月並みに。

三浦:わかりました。で、入ってからは、面白くなったわけ?

坂田:そう。面白くなったんです。

三浦:そりゃ、よかったですね(笑)。志したけど、入ったらつまんなかったってこともあるもんね。

坂田:大学時代はすごく楽しく過しました。

三浦:ふーん。何やってたんですか。卒制とか。

坂田:まぁ、大学を楽しんでたってだけで、課題を楽しんでたわけじゃないんですけど(笑)。アルバイトをするんですよ。猛烈にまた。そのお金を貯めて、1カ月とか、沖縄の離島に行くんですよ。

三浦:離島ですか。離島で何するの。

坂田:バックパックするんです。1カ月くらい、好きなことをして。

三浦:バイトも面白いんですか?

坂田:バイトは、1カ月、バックパックするための手段。

▲ページ上に戻る
© CULTURESTUDIES